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梅林 励; 八巻 徹也; 伊藤 久義; 浅井 圭介*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 63(10), p.1909 - 1920, 2002/10
被引用回数:627 パーセンタイル:99.67(Chemistry, Multidisciplinary)F-LAPW法を用いた第一原理バンド計算によって、遷移金属(Cr,Mn,Fe,Co,Ni)をドープした二酸化チタン(TiO)の電子構造解析を行った。TiOにCr,Mn,Fe,Coをドープした時は、バンドギャップ内に占有準位が形成され、電子は不純物t軌道に局在することを明らかにした。この不純物準位は、ドーパントの原子番号が大きくなるに従って低エネルギー側にシフトした。一方、Niを導入した場合は、Ni 3d軌道は、O 2p,Ti 3d軌道とともに価電子帯を形成することがわかった。既報の吸収スペクトル、及び光電流スペクトルの実験結果とわれわれの計算結果とを比較することにより、可視光域における光応答には不純物t準位が大きく関与していることを見出した。
Wu, Z. P.*; 宮下 敦巳; 山本 春也; 阿部 弘亨; 梨山 勇; 鳴海 一雅; 楢本 洋
Journal of Applied Physics, 86(9), p.5311 - 5313, 1999/00
被引用回数:59 パーセンタイル:88.49(Physics, Applied)金属バナジウム上に金属モリブデンの細片を貼り付けたターゲットをソースとして用いたレーザーアブレーション法によって、モリブデンドープVO薄膜を作製した。薄膜特性は精密X線回折、X線ロッキングカーブ測定、RBSチャネリング測定によって評価した。ロッキングカーブでのピーク幅はFWHMの値で最良0.0074と基板に用いたサファイア(0001)単結晶の値(=0.0042)と近い値を取っており、また、チャネリング測定におけるの値も5%と良く、軸方向の整合性が非常に良く取れており単結晶ライクな成長をしていることがわかる。モリブデンが置換位置に入っていることはRBSチャネリング測定によって確かめられた。金属-半導体相転移前後での電気伝導率の特性変化はおもに半導体領域における伝導特性によっており、モリブデンドープによる金属特性の変化はあまり見られない。ドープによって半導体領域での活性エネルギーは減少し電気伝導度は上がる。その結果、ドープ量の増加により金属-半導体相転移前後での特性変化は減少する。1.5%のモリブデンドープによって相転移温度を30にまで引き下げることができた。
片野 進; 藤田 治*; 秋光 純*; 西 正和*; 加倉井 和久*; 藤井 保彦*
Physical Review B, 57(17), p.10280 - 10283, 1998/05
被引用回数:12 パーセンタイル:55.73(Materials Science, Multidisciplinary)CuGeSiO系におけるスピン-パイエルス相(SP相)と反強磁性相(AF相)の相関を詳しく調べるために、中性子回折実験を行った。SP相はAF相の出現によって大きく抑制され、Si濃度約2.5%で消失する。したがって両相が共存するのは2.5%付近までである。両相における磁気モーメントと格子歪みの大きさをSi濃度の関数としてもとめ、新しい磁気相図を得た。
大島 武
ニューセラミックス, 10(5), p.20 - 27, 1997/05
シリコンカーバイド(SiC)半導体を電子デバイスへ応用するには、選択的な不純物ドープ技術の確立が重要である。本研究室では、高温イオン注入を用いてSiCへ不純物ドーピングを試みている。そこで本解説記事では、イオン注入方法から、試料の評価方法までを述べた。特に評価では、ESRやフォトルミネッセンスの結果を中心に結晶欠陥低減化に関することを述べた。また、注入試料の電気特性についても、シート抵抗、ホール系数測定の結果を中心に解説した。